近畿3府県で起きた連続青酸死事件で、夫や内縁関係だった男性4人に対する殺人罪などに問われ、1、2審の死刑判決に対する上告が29日、棄却された筧千佐子被告(74)。筧被告の事件は、遺産目当てに結婚を繰り返す女を描いた小説「後妻業」に酷似しているとも話題になった。著者の黒川博行さんは「一連の事件は、後妻業というものが存在するのだと社会に警鐘を鳴らした点で大きな意味があった」と話した。
黒川さんは、1審京都地裁で筧被告の裁判を傍聴。「保険金や遺産が絡む毒物を使った殺人事件では珍しく、起訴前に容疑を認めたとされる。だが、裁判段階では認知症の診断を受けて供述を二転三転させ、結局事件の発端や背景が語られることはなかった」と振り返った。
その上で、「遺産を目的とした結婚は昔から社会にあるものだと誰もがうすうす感じていたが、事件が大きく報道されたことで、改めてその存在と危険性に気付くきっかけになった」と語った。