カジノを含む統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で収賄罪などに問われた衆院議員、秋元司被告(49)に対し、東京地検は8日、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)の公判で、懲役5年、追徴金約758万円を求刑した。論告で「現職の国会議員でありながら、法規範を一顧だにしていない。IR事業に対する社会の信頼を失墜させた」と批判した。
ともに収賄罪に問われた元政策秘書、豊嶋晃弘被告(42)には「贈賄側との窓口の役割を果たしたが、立場は従属的」として懲役2年を求刑した。両被告は全面的に無罪を主張している。20日の弁護側の最終弁論で結審し、判決は9月7日に言い渡される。
検察側は論告で、秋元議員がIR担当の副内閣相だった2017年9月~18年2月、中国企業「500ドットコム」側から衆院解散当日に議員会館で現金300万円の供与を受けるなど計約758万円相当の賄賂を受けとったと指摘した。現金提供を認めたドットコム社元顧問2人の証言を「供与状況を極めて詳細に語っており、証言の信用性は極めて高い」と評価。元顧問2人が提供を示すメモを作成していたことなどから「証言を裏付ける多数の客観証拠が存在する。授受は優に認められる」とした。
秋元議員側は、歩数が記録されるスマートフォンのアプリのデータなどを基に「賄賂が渡されたとされる時間に議員会館にはいなかった」などとアリバイを主張したが、検察側は「本会議場に着席していた時など歩いていないはずの時間帯も歩数が記録されている」と指摘。アプリのデータには証拠価値がないとした。
秋元議員は保釈中の20年6~7月、元顧問2人に公判で虚偽の証言をする報酬として現金提供を持ちかけたとして組織犯罪処罰法違反(証人等買収)にも問われている。この点について検察側は、秋元議員が自ら証人を買収するため資金の一部として現金1000万円を準備したと指摘。「周到に計画され、虚偽の証言をするよう何度も依頼した。極めて悪質な司法妨害行為」などと厳しく批判した。【遠藤浩二】