飲酒した状態でドローン(小型無人機)を飛行させたとして、愛知県警豊田署は16日、同県豊田市の無職男性(56)を航空法違反容疑で名古屋地検岡崎支部に書類送検した。
書類送検容疑は6月12日午後0時半ごろ、飲酒によるアルコールの影響でドローンの正常な操縦ができない恐れがあるにもかかわらず、豊田市上空でドローンを飛ばしたとしている。ドローンは近くの住宅の敷地内に落下し、窓の一部が傷ついたが、けが人はいなかった。容疑を認めているという。
同署によると、男性は12日午前7時~正午ごろ、自宅で缶ビールと缶酎ハイを計8本飲んだという。
飲酒や薬物の影響下でのドローンの操縦を禁止した改正航空法は2019年に成立。違反した場合は1年以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられる。県警によると、改正法成立以降、飲酒操縦による摘発例は、東京都渋谷区のスクランブル交差点で飛行させたケースに次いで全国2例目という。【森田采花】
検挙件数、年々増加
ドローンを巡っては、個人ユーザーの操縦ミスによる墜落事故が後を絶たず、イベント会場などに落ちて負傷者が出るケースも起きている。警察庁によると、ドローンによる航空法違反の検挙件数は、2020年に85件。コロナ禍の影響で飛ばす機会が奪われ、過去最多だった19年の111件より減少したが、コロナ前は年々増加していた。
ドローンは操縦免許が不要で、家電量販店やインターネット通販で安いものは1万円程度と気軽に購入できるため、普及が進む。一方、飲酒状態での操縦禁止や特定地域での飛行禁止などの関係法令が広く周知されていない現状がある。
各地でスクールが開かれているが、参加は任意のため法令の知識を身につけなくても操縦できてしまう問題が指摘されていた。こうした現状を受け、国は22年度からの操縦免許制度の導入を計画。ドローンの問題に詳しい東京大未来ビジョン研究センターの鈴木真二特任教授(航空工学)は「免許の更新の際にしっかり法律の知識や技術を身につけさせるべきだ」と実効性のある制度化に期待する。
19年5月に成立した改正ドローン規制法は、東京オリンピック・パラリンピック会場上空の飛行を原則禁止している。五輪開幕目前の検挙について、捜査関係者は「会場が無観客になったことで、ドローンを飛ばして撮影しようとする人が出ないようにする防犯のメッセージもある」と明かした。【森田采花】