オンライン形式で開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第44回世界遺産委員会は26日、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(いりおもてじま)」(鹿児島県、沖縄県)を世界自然遺産に登録することを決めた。多くの固有種が生息し、生物多様性保全のうえで重要な地域であることが高く評価された。ユネスコの諮問機関、国際自然保護連合(IUCN)は2018年に登録延期を勧告。政府は、19年に改めて推薦書を提出し、再挑戦で悲願を果たした。
日本の世界自然遺産登録は10年ぶり。白神山地(青森県、秋田県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)に続き5件目となる。政府が検討してきた自然遺産候補地で未登録だったのは奄美・沖縄のみで、国内では最後の登録となる公算が大きい。
4島からなる推薦地は、九州から台湾の間に連なる琉球列島の一部。大規模な地殻変動などを繰り返し、約200万年前までにユーラシア大陸から切り離され、生物が独自の進化を遂げたとされる。推薦地には95種の絶滅危惧種が生息し、このうち奄美大島の「アマミノクロウサギ」や沖縄島北部の「ヤンバルクイナ」などこの地域の固有種が75種を占める。
政府は当初、4島24カ所を推薦地とし、固有種や絶滅危惧種が生息する米軍北部訓練場の返還地を含めていなかった。IUCNは推薦地の分断を問題視し、長期的な生態系保全には適切でないと判断した。
日本政府は2度目の推薦にあたり、推薦地を返還地も含めた5カ所に集約。固有種を捕食するノネコ(野生化した猫)の捕獲を進めるなど外来種対策を強化し、IUCNは今年5月、「登録が妥当」と勧告していた。【鈴木理之】