東京都世田谷区を走行中の小田急線車内で乗客10人が包丁で切られるなどして重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された自称派遣社員、対馬悠介容疑者(36)(川崎市多摩区西生田)の事件前後の行動の詳細が捜査関係者への取材でわかった。襲撃開始から逃走まで約2分間で、警視庁が状況を調べている。
捜査関係者によると、対馬容疑者は6日昼過ぎ、新宿区の食料品店でつまみ類などを万引きしたとして警視庁に通報された。夕方から夜にかけ、住居確認を行う警察官に連れられて自宅アパートに帰宅した。
その後、バッグに包丁やハサミ、着替えなどを入れて自宅を出発。午後8時2分、徒歩で最寄りの小田急線読売ランド前駅(川崎市)に向かう姿が防犯カメラに映っていた。駅前のスーパーでサラダ油とライターを購入すると、8時18分に上り普通電車に乗車した。
6分後に登戸駅で降り、上り快速急行に乗り換えた。6号車から7号車に移動し、しばらくドアの近くで車内の様子をうかがっていたが、電車が成城学園前駅(世田谷区)付近を通過していた8時29分、前方の座席に座っていた女子大学生(20)に包丁で切りかかった。
包丁を振り回し、周囲の乗客らに切り傷などを負わせた。8号車で床にサラダ油をまき、ライターで点火したが、燃え広がらなかった。乗客が運転士らに状況を伝え、電車が緊急停止すると、対馬容疑者は8時31分に9両目のドアから逃走していた。
対馬容疑者は調べに「電車内なら大量に人を殺せると思った。乗客が途中下車できない快速急行を選んだ」と供述している。