新型コロナウイルスに感染した千葉県柏市の妊婦が、入院できる医療機関がなく自宅で早産し乳児が死亡した問題で、周産期母子医療センターに指定されている千葉大病院(千葉市)は妊産婦用の専用病床の一部を新型コロナに感染した妊産婦に割り当てる方針を決めた。
同病院によると、リスクの高い妊産婦を受け入れる母体胎児集中治療室(MFICU)6床のうち、一部を新型コロナに感染した妊産婦に割り当てる。新型コロナ患者の入院優先度を決めるため県が導入している「入院優先度判断スコア」の点数は使わず、妊産婦としてのリスクを病院側が判断する。まずは千葉市内の患者を対象にし、市外からの広域搬送依頼があった場合には個別に対応する。
同病院のMFICUでは、これまでも新型コロナに感染した妊産婦を受け入れており、直近の病床稼働率(11~18日)は、92・2%と満床に近い状況が続いている。しかし、今回の新生児の死亡事例を受け、新型コロナ対策の専用病床の割り当てに踏み切った。通常の高リスクの妊産婦の受け入れが厳しくなる見込みだが、同病院は「運用は厳しくなるが、なんとかこの事態に対応しなくてはいけない」と話している。【秋丸生帆】