「悪いのはウイルス」 小学校でコロナ差別防ぐ授業 佐賀・唐津

佐賀県唐津市立小中学校が6日、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置に伴う臨時休校を終えて新学期を迎えた。鬼塚小(児童342人)では、「コロナ差別」を防ぐ授業があった。全学年向けに作成した独自教材「みんなが笑顔で生活するために~コロナに負けない!」で「コロナに対する不安を感染者やその家族にぶつけるのはまちがい。悪いのは、かかった人ではなく、ウイルス」と呼びかけた。【峰下喜之】
市教委によると、市立小中学校でも2020年春以降、欠席した同級生に「コロナじゃない」とうわさする「いじめ」が数件報告された。鬼塚小では、夏休み中の職員会議で差別を未然に防ぐ教材作成を決定。永田ふくみ養護教諭(49)ら3教諭が、日本赤十字社のガイドや保健指導書を参考にスライド27枚にまとめた。
1~3日の臨時休校で6日に延期された始業式はオンラインで実施し、各教室の電子黒板を通して、多貝利彦校長が校長室から「新型コロナが唐津中にはやっている。まずは病気にならない方法を知ろう」と語りかけた。
3年2組では続けてスライドを上映。児童28人を前に担任の牧山明弘教諭(24)が、くしゃみ、机やドアノブを介した感染の仕組みを解説。感染力の強いデルタ株のまん延に「誰がどこで感染してもおかしくない」と警鐘を鳴らした上で、「悪いのはコロナにかかった人でしょうか」と児童に問いかけた。
自分や家族が感染した際「うわさ話や差別をされたいですか」と投げかけ「自分ならこうしてほしいと思うことをしてあげられるといいですね」と思いやりの大切さを説いた。
スライドではマスクの予防効果も改めて説き、校内で唯一マスクを外す給食時間は、飛沫(ひまつ)防止パーテーション内での黙食、歯磨きを指導した。
北田知輝さん(8)は「手洗い、マスク、消毒をして2学期を楽しく過ごしたい」と話した。