「天正遣欧少年使節」の一人、千々石ミゲルを埋葬したと推定される墓所(長崎県諫早市多良見町)の第4次調査を進めてきた民間グループ「千々石ミゲル墓所調査プロジェクト」は16日、墓から成人の全身人骨が見つかったと発表した。キリシタン信仰に関する副葬品は発見されなかった。出土品には歯も含まれており、今後、ミゲルの遺骨かどうかを特定するためDNA鑑定などを進める。【杉山恵一】
今回出土した骨は頭部が西側を向き、足を折った状態で木棺(長さ1メートル40センチ、幅40センチ)に収まっていた。第3次調査で出土した女性の人骨より大きく、ほぼ全身の骨がそろっていた。
同プロジェクトの発掘調査指導委員会の谷川章雄委員長=早稲田大人間科学学術院教授=は「頭蓋骨(ずがいこつ)がしっかりしており、成人と言える。今後、DNA鑑定して性別や年齢などの特定を進めるが、ミゲルの骨と判断される可能性が高い」と話した。
同墓所は専門家の文献調査からミゲル夫妻の墓と推定され、ミゲルの子孫にあたる浅田昌彦さん(68)らが2014年に調査を開始した。17年の第3次調査ではミゲルの妻とみられる女性の人骨の他にロザリオとみられるガラス玉を発掘。ミゲルの棄教説に疑義が生じ、夫の墓からも副葬品が見つかるか注目されていた。
調査は今回で終了するが、出土品の鑑定などを進め、年内にも報告書をまとめる方針。
今回の発見を受け、大久保潔重市長は「周辺のキリシタン関連遺跡が持つ文化財的な価値がさらに高まった」とのコメントを発表した。