菅義偉首相の退陣表明に伴う自民党総裁選は、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革担当相、野田聖子幹事長代行の4氏の戦いとなった。29日の投開票まで各候補の舌戦が展開されるが、重要な争点となるのが経済政策だ。各候補は追加の経済対策や成長戦略、財政運営策を打ち出すが、誰の政策が日本経済を浮上させ、われわれの暮らしを豊かにするのか。 岸田氏は「小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する」と明言しており、「成長と分配の好循環」の理念を掲げる。 宏池会を旗揚げした池田勇人元首相にならい、「令和版所得倍増」を打ち出し、子育て世帯の教育費や住居費の支援強化による中間層の拡大や、少子化解決を目指す。 「新しい日本型資本主義」構想会議を設置し、コロナ後の経済や社会ビジョンを策定すると表明している。技術流出防止に向けた国家戦略として「経済安全保障推進法」を定め、経済安保の担当閣僚も新設する意向だ。財政健全化の旗を堅持するとしながらも、菅首相の対策を「小出し」と批判するなど柔軟な姿勢をみせる。 上武大の田中秀臣教授(日本経済論、経済思想史)は「貧困の解消や雇用状況の改善など成長と再分配のバランスを取っているのが筋がいい。財政の維持可能性を意識してはいるが、経済全体を冷ますような財政再建路線は採用しないということだろう」と解説する。 アベノミクスをより強く意識し、「サナエノミクス」を推進する高市氏は、日本経済の強靱(きょうじん)化を訴える。 物価上昇率2%を目指し、2025年を目標とする基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を時限的に凍結。戦略的な財政出動の拡大による景気浮揚を目指すとする。 田中氏は「金融政策も財政政策も積極的で、経済全体のお金不足を解消する点では合格点だ。財政の支出先も安全保障や防災インフラへの投資なども長期的な視野がある」との評価だ。 河野氏は、デジタルやグリーンをイノベーションの核とし、日本の稼ぐ力を伸ばすとしている。 マクロ経済政策について、コロナ禍のような「有事には財政(出動)は避けられない」と強調し、財政健全化の政府目標が適切かどうか議論する必要があるとの認識を示した。 10日のTBS番組では、「値下げ、値下げでいくとデフレになってしまう。モノを下げようというのではなく、賃金を上げるところに力を注いでいきたい」と述べ、雇用を重視する企業への税制優遇することも表明した。前出の田中氏は「税制優遇は一見するといいように思えるが、景気を考えて経済全体のお金不足を解消する発想が現時点では見えにくい」と評する。
菅義偉首相の退陣表明に伴う自民党総裁選は、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行政改革担当相、野田聖子幹事長代行の4氏の戦いとなった。29日の投開票まで各候補の舌戦が展開されるが、重要な争点となるのが経済政策だ。各候補は追加の経済対策や成長戦略、財政運営策を打ち出すが、誰の政策が日本経済を浮上させ、われわれの暮らしを豊かにするのか。
岸田氏は「小泉改革以降の新自由主義的な政策を転換する」と明言しており、「成長と分配の好循環」の理念を掲げる。
宏池会を旗揚げした池田勇人元首相にならい、「令和版所得倍増」を打ち出し、子育て世帯の教育費や住居費の支援強化による中間層の拡大や、少子化解決を目指す。
「新しい日本型資本主義」構想会議を設置し、コロナ後の経済や社会ビジョンを策定すると表明している。技術流出防止に向けた国家戦略として「経済安全保障推進法」を定め、経済安保の担当閣僚も新設する意向だ。財政健全化の旗を堅持するとしながらも、菅首相の対策を「小出し」と批判するなど柔軟な姿勢をみせる。
上武大の田中秀臣教授(日本経済論、経済思想史)は「貧困の解消や雇用状況の改善など成長と再分配のバランスを取っているのが筋がいい。財政の維持可能性を意識してはいるが、経済全体を冷ますような財政再建路線は採用しないということだろう」と解説する。
アベノミクスをより強く意識し、「サナエノミクス」を推進する高市氏は、日本経済の強靱(きょうじん)化を訴える。
物価上昇率2%を目指し、2025年を目標とする基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を時限的に凍結。戦略的な財政出動の拡大による景気浮揚を目指すとする。
田中氏は「金融政策も財政政策も積極的で、経済全体のお金不足を解消する点では合格点だ。財政の支出先も安全保障や防災インフラへの投資なども長期的な視野がある」との評価だ。
河野氏は、デジタルやグリーンをイノベーションの核とし、日本の稼ぐ力を伸ばすとしている。
マクロ経済政策について、コロナ禍のような「有事には財政(出動)は避けられない」と強調し、財政健全化の政府目標が適切かどうか議論する必要があるとの認識を示した。
10日のTBS番組では、「値下げ、値下げでいくとデフレになってしまう。モノを下げようというのではなく、賃金を上げるところに力を注いでいきたい」と述べ、雇用を重視する企業への税制優遇することも表明した。前出の田中氏は「税制優遇は一見するといいように思えるが、景気を考えて経済全体のお金不足を解消する発想が現時点では見えにくい」と評する。