「代替バス、どこから乗れるの」 地震で脱輪の舎人ライナー

7日の地震で車両が脱輪した東京都営新交通システム「日暮里・舎人ライナー」は8日の始発から全線で運転を見合わせた。脱線現場近くの舎人公園駅(東京都足立区)では通勤客らが困惑する姿がみられ、近くのバス乗り場に行列ができた。高架上には脱輪した車両がそのまま残っている。
「運転再開の見込みは、立っておりません」。地上から駅につながるエレベーターの扉などにはこう書かれた紙が張られ、駅は使えなくなっていた。
浜松町方面へ出勤する男性会社員(47)は「開業以来ずっと乗っているが、運転見合わせはほとんど記憶にない」という。30分以上早く家を出て、日暮里駅に向かう都営バスに乗ろうとしたが、満員で1本目は見送った。「別の代替バスを見かけたが、どこから乗れるかの情報もない」と嘆く。
夜勤明けで駅の様子を見に来た男性(44)は地震の際、出勤のために2駅離れた西新井大師西駅のホームにいた。駅に車両が入ってきたところで地震が起きて止まり、ライナーに乗るのはあきらめて舎人公園駅近くの職場まで歩いたという。8日夜も仕事があるが「夜間はバスの本数も少ない。早く復旧してほしい」と話した。
東京都交通局は8日、ライナーの先頭から3両が脱輪したと発表。車両と、走行時の列車を安定させる設備に損傷があることを確認したといい、復旧には数日かかる見通しを示した。【三上健太郎、黒川晋史】