神戸市は今年度、市立王子動物園(灘区)の再整備に向けた計画の策定を始めた。開園70年を迎えて施設の老朽化が進んでいるためで、「タンタン」(雌、26歳)が暮らす「パンダ館」の行方に注目が集まる。
2000年7月につがいの雄と来日したタンタンは、昨年7月に貸与期限を迎えた。コロナ禍で中国・成都への直行便が飛ばないため、今もパンダ館で暮らしているが、返還することは既に決まっている。
市は新たなつがいを中国側に要望しているとして、パンダ館を残す方針を示している。ただ、仙台市や茨城県などライバルは多い中、同園は産後4日目の赤ちゃんが死ぬなど繁殖の失敗が続いており、「神戸は不利」との見方もある。
タンタンが同園に来た00年度の入園者は前年度の98万人から198万人に倍増するなど集客に効果はあった一方、「レンタル料」として、現在も年25万ドルを中国側に支払っており、負担は軽くない。
少子化の影響もあり、園の経営は赤字が続いている。近年は毎年3億円を公費で負担しており、人気者のパンダに頼らない動物園運営のあり方が問われている。