大阪八尾署から18歳少年“無一文”の逃走劇…親族宅の押し入れで発見されるまで

大阪府警がまた逃げられた。

強制わいせつ容疑で逮捕状を取り、任意同行していた18歳の少年が逃走した事件は、あっけなく終わった。

少年が八尾署から逃走したのは、28日午後3時50分ごろ。約6時間後の午後9時40分ごろ、捜査員が任意同行を求めた同じ親族宅で発見され、同容疑で逮捕となった。

どうやら大阪府警も万全の体制は取っていたようだ。八尾署へ同行する際、少年を乗せた警察車両には運転席と助手席に警察官が座り、後部座席の少年の両脇を2人の警察官が固めていた。少年を乗せた警察車両の後にはもう1台、少年の妻が乗る警察車両も走っていた。少年は妻と一緒に親族宅に転がり込んでいた。

■2メートルの門扉を乗り越え…

ところが警察車両2台が署に到着し、建物裏側の駐車場で少年を降ろした瞬間、少年は警察官の間隙を縫って、ダッシュで高さ約2メートルの門扉に手をかけて扉を駆け上がり、そのまま飛び越えて南の方向に逃げてしまった。門扉の上部には、有刺鉄線が張りめぐらされていた。

少年は身長165センチくらいの細身で、茶髪。携帯電話や財布などの所持品はなかった。

八尾署はすぐに緊急配備をかけて、総勢約200人の警察官を動員。少年の行方を追った。逃げた少年は一目散に元いた親族宅を目指し、車で20分の距離を走って戻り、警察官が配置される直前に逃げ込んだ。警察官が親族宅をくまなく探したところ、押し入れの上の天袋で両手で膝を抱えるようにして隠れていた少年を発見。警察官がそばに置いてあった荷物を取り上げると、少年はあきらめたように天袋から出てきたという。

「どうして、わざわざ親族宅に舞い戻ったのか。金も携帯も持ってへんかったから、他に逃げるところがなかったんかもしれん。署まで連れていく体制はちゃんと組んどったんやけどな。クルマから降ろした後、逃げられへんように4人で囲んだらええかいうたら、それは違法になる。相手は少年やし、女房の前で手錠をかけるわけにもいかんかった。『ちょっと話を聞かせてくれるか』言うて、任意同行やったしな。人権にも配慮せなあかんから。建物を造る段階で、門扉から逃げられることは想定してへんからな。あんまり高くしても、災害の時に逃げられへんようになるから、再発防止のため、これから門扉の上部に『忍び返し』を設置する」(捜査事情通)

■3年前にも富田林署から容疑者が逃走

府警を巡っては2018年8月、強制わいせつ容疑で富田林署に勾留されていた樋田淳也被告が、面会室の間仕切りを破壊して逃走。府警は延べ14万4000人の捜査員を動員し、24時間体制で捜査にあたるなど、激務を強いられた。逃走から48日後、山口県周南市の道の駅で、万引したところを警備員に見つかるまで、逃走劇は1カ月半以上続いた。

すぐに少年が見つかり、3年前の逃走事件が頭をよぎった警察官は、ホッと胸をなでおろしたに違いない。