傍流の電気推進、「はやぶさ」の原動力に 紫綬褒章・国中均さん

政府は今年秋の褒章受章者を2日付で発表した。国中均・JAXA宇宙科学研究所長(61)は、紫綬褒章に選ばれた。

「私がやってきた『電気推進』の研究が認められ、大変名誉に感じています」
研究を始めた1980年代後半、宇宙探査機に推進力を与えるエンジンは、燃料を燃やして噴射する「化学推進」が主流で、電気エネルギーでイオンなどを加速させる「電気推進」は傍流だった。「ごくつぶし」「何の貢献もしていない」。周囲から非難されても、その可能性に懸けた。
関東中の中古品店で部品を買い集め、時には壊れていない部分をつなげて装置を自作。「マイクロ波放電式」と呼ばれる、電極が不要で耐久性が高いイオンエンジンを開発した。
イオンエンジンは小惑星探査機「はやぶさ」、後続の「はやぶさ2」に搭載され、小惑星と地球の往復を成功させる原動力になった。推力は小さいが、化学エンジンの10分の1程度の燃料で長期間航行できるのが魅力だ。「研究者はとにかく早く成果を出し、世間に評価いただく努力をしないといけない」。今は自身の経験をもとに後進を指導している。【池田知広】