トイレ修理や鍵の交換など、業者が出張訪問して行う「暮らしのレスキューサービス」の利用を巡り、インターネット検索で表示された業者に依頼し、不当な高額請求を受けるなどトラブルに巻き込まれるケースが京都府内で増えている。背景には、検索ワードに応じた内容の広告が検索画面の上位に表示されるリスティング広告の仕組みが影響しているとみられている。(松崎遥)
京都府消費生活安全センターによると「暮らしのレスキューサービス」に関する相談件数のうち、電子広告が関わる割合は2019年度の31・4%に対し、20年度は45・2%と急増した。
検索サイトで、キーワードを入力すると、閲覧回数が多いホームページのアドレスが表示される傾向にあるが、リスティング広告はそれらより上位に表示される。アドレスの横に「広告」と表示されるのが一般的だ。
「水回り950円~」「見積もり無料」などと安価を強調する広告が目立つ。センターの担当者は「悪質な業者は、追加工事が必要などと理由を付けて高額請求する。地元の工務店など信頼できる業者を日頃から見つけておくことが大切だ」と注意を呼びかける。
水回りの修理を依頼した際、不当に高額な代金を請求されたとして府内などの男女12人が業者らに損害賠償を求めている訴訟では、12人全員がネットで検索した業者に連絡を取っていた。
昨年10月、キッチンの配水管修理で30万円以上を請求された京都市の女性は、検索で「最短20分」「見積もり無料」と広告でうたっていた業者に連絡した。女性は「夕飯時で急いでいたため、検索で上位にでてきた業者を選んでしまった。広告だと気付かず、閲覧数が多いので安心できると誤認してしまった」と悔やむ。
「暮らしのレスキューサービス」の宣伝では、水道業者などがポストに
投函
(とうかん) する「マグネット広告」が古典的な手法だが、スマートフォンの普及などでリスティング広告が主流になっている。
弁護団は5月、グーグル日本法人「グーグル合同会社」に対し、広告掲載にあたり悪質なビジネスに利用されないように厳格な審査を行うことや、掲載後も広告内容に問題がないか情報収集を続けることなどを求める申し入れ書を送った。
同法人は、広告に関する規約で、不適切な価格設定や、虚偽記載を行っている広告を禁止しており、弁護団事務局長の増田朋記弁護士は「規約に違反しているのが明らかな広告を放置しているのであれば問題だ」と指摘し、「レスキュー商法には、リスティング広告が効果的に利用されており、被害を拡大させる恐れがある」と話す。現時点で同法人から回答はないという。
◆リスティング広告 =検索サイトに入力されたキーワードに応じ、関連する商品やサービスが表示される連動型広告。利用者がホームページに興味を持ち、クリックすると、広告主が検索サイト側に料金を払う仕組み。