家族が新型コロナウイルスの濃厚接触者になって以降職場で無視された、秋田県外に出かけた後に有無を言わさず出勤停止になった――。コロナを巡るこんなハラスメントなどの職場相談が今年度、少なくとも40件、秋田労働局に寄せられていることが分かった。事業者側が労災申請をせず、従業員に有給休暇を取らせる事例などもあると同局ではみており、困ったことは窓口に相談するよう呼びかけている。
秋田労働局雇用環境・均等室によると、今年4月以降、コロナに関する職場での嫌がらせといった労働相談が、10月末までに少なくとも40件寄せられた。
うち、21件がワクチンに関する相談。接種していない従業員が職場で無視されたといった事例のほか、接種を強要されたという相談もあった。このほか、家族が感染者の濃厚接触者として認定された従業員が職場で嫌がらせを受けたり、県外往来をした後に無給での出勤停止を命じられたりと、ワクチン以外での不当な扱いを受けた事案も約20件あった。同局は悪質な事例については、県内の労働基準監督署などを通じて是正を求めたという。
同時に、感染した従業員に労災ではなく有給休暇の取得を求めたり、業務中の感染を否定するよう強く促したりする悪質事例が一部事業者にあるとみている。
労災補償課によると、コロナ感染による労災は、今年11月末までに28件認定された。調査中の事案もあって、認定件数はさらに増える可能性があるものの、17日までに県内で確認された感染者数(1934人)に比べると少なく、「実際の労災件数はもっと多い可能性がある」(同課)という。
同局では、従業員がコロナ感染で労災申請できると知らなかったり、感染と業務の関連が分からず、申請をためらったりするケースも多いとみている。動画投稿サイト「ユーチューブ」に設けた同局の公式アカウントで、県外出張時に感染した場合や出勤時の交通機関で感染した場合など具体例を示しながら解説しており、「参考にしてほしい」と呼びかけている。