上野動物園(東京都台東区)の双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ」(オス)と「レイレイ」(メス)が12日、昨年6月の誕生以来初めて、一般にお披露目された。新型コロナウイルスの感染拡大で、公開は14日までの3日間限定となり、観覧時間も1人につき、わずか1分程度。それでも双子パンダたちは愛くるしいしぐさで、観覧者の心をとりこにしていた。(禰宜雄一、栗谷川奈々子)
動物園の表門には午前9時半の開園前から、335倍の抽選を経て決まった観覧者が100人以上並んだ。午前5時に一番乗りしたという練馬区のデザイン業の女性(55)は「せっかく抽選に当たったので早く見たくて」と待ちきれない様子だった。
初日の観覧者約820人は三つの時間帯に分かれて入園。観覧できるのは双子パンダと母親の「シンシン」の3頭のみで、観覧時間も制限されたが、双子パンダがタケをかじったり、じゃれ合ったりする姿をカメラに収めて楽しんでいた。
夫と2人で訪れていた品川区の女性会社員(54)は「お尻がかわいかった。触れるものなら触ってみたい」と相好を崩した。パンダを見に北京まで行ったことがあるほどのパンダ好きで、「双子くらいのサイズなら、家で飼いたい」と話した。葛飾区の美容業の女性(22)は「丸っこくて、ぬいぐるみのようだった。時間は短かったけど、動いている姿をばっちり見られた」と笑みをこぼした。
園内では、双子パンダのぬいぐるみやボールペンなどの記念グッズを買い求める客の姿も見られた。ケーキとキーホルダーを購入した北区の主婦(57)は「シャンシャンが公開された時よりも近くで見られて癒やされた」と目尻を下げた。
訓練重ねた
動物園教育普及課の大橋直哉課長によると、年末から動物園職員らが観覧客のふりをして、双子パンダがいる室内展示場の前に出入りして手を振るなど、観覧客に慣れさせる訓練をしてきたという。大橋課長は「無事にここまで来て非常にうれしく、ほっとしている」と話していた。公開中断中も、園のツイッターやホームページで双子の様子を発信するという。