「若年者は検査なしでの診断検討を」 専門家組織、提言案を議論

新型コロナウイルス対策を議論する厚生労働省の助言組織「アドバイザリーボード(AB)」は20日、感染者がさらに急増した時に、重症化リスクの低い若年層を検査なしに症状だけで診断することを検討すべきだとの提言案を議論した。オミクロン株は無症状や軽症の感染者が多く、医療資源を高齢者などに優先的に確保する狙いがある。
有志で作成した提言案は、50歳未満のオミクロン株感染者の多くは症状が軽く自宅療養で回復しており、「これまでの変異株と相当異なる」と指摘。若年層の検査を不要とする選択肢を示した。感染者の急増で、地域によっては検査キットが不足していることも背景にあるとみられる。
さらに、一律の外出自粛などで繁華街の人出を減らす「人流抑制」ではなく、感染リスクの高い場面の「人数制限」が効果的と強調。換気の悪い場所でパーティーや会食を実施する場合は人数制限や当日の抗原検査を求めた。一方で、クラシックのコンサート、サッカー・Jリーグ、プロ野球は感染リスクが低いとして、現行の感染対策の継続を促すにとどめた。【原田啓之】