厚生労働省は31日、大量在庫が問題になっている布マスク「アベノマスク」について、個人や団体などから約37万件・推計で約2億8000万枚の無償配布の申し込みがあったと発表した。約8000万枚の在庫を大幅に上回ったため、厚労省は今後方法を検討したうえで、3月上旬をめどに配布を開始する。配送料は国が負担する。
自民党の安倍晋三元首相は1月27日の安倍派会合で「2億8000万枚の希望があった」と明かしたうえで「量を区切って(配る)ということになる。もっと早くやっておいた方がよかった」と述べていた。
同省によると、個人からの申し込みが多かった。ポリエステルを使った布マスクも無償配布の対象で、人気があったという。担当者は「なぜこれだけの数になったかはわからない」と話す一方、同省幹部は「無償だからでは」と指摘する。
アベノマスクは2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当時首相だった安倍氏が全世帯への配布を表明。しかし、不織布マスクよりサイズが小さく、配布の遅れや不良品の発覚など問題も相次ぎ不評だった。20年8月~21年3月の保管料は約6億円。政府は無償配布の希望者を昨年12月から募集したところ、申し込みが殺到したため、締め切りを2週間延ばして28日まで受け付けた。【神足俊輔】