熱湯かけられ死亡の3歳児、市にけが情報20件…リスク評価変えず

大阪府摂津市の3歳男児虐待死事件で、母子が事件3年前に転入して以降、市に男児のけがに関する情報が少なくとも20件寄せられていたことがわかった。31日に公表された府の検証専門部会の報告書は、情報がありながらリスク評価を変えなかった市の対応を問題視。市が府の児童相談所と個別ケースの危険度や緊急度を協議する検討会議を開催すべきだったとした。
事件では、新村

桜利斗
(おりと)ちゃん(3)が昨年8月、熱湯をかけられて死亡。母親(23)の交際相手の無職松原拓海被告(24)(殺人罪などで起訴)が逮捕された。
報告書によると、母子が転入した2018年10月~昨年6月、保育所などから市に、頭の傷や頬のあざ、まぶたの腫れなどの情報が少なくとも20件寄せられた。母親は多くで「転んだ」「思い当たることがない」などと釈明。市は、桜利斗ちゃんの発達の問題や母親の不注意が原因として身体的虐待を疑わなかった。
報告書は、けがの部位や頻度、母親の説明の曖昧さなどを挙げ、「身体的虐待のリスクを疑い、より重いリスク評価をするべきだった」と指摘。20年12月に、母親が保育所に「交際相手と体を押さえてバリカンで坊主頭にした」と話し、市が松原被告の存在を把握して以降も、リスク評価を変えなかった点も問題だとした。
報告書は、適正に評価するための「個別ケース検討会議」の開催基準の明確化のほか、自治体の組織体制の強化、児童相談所の積極的関わりなどを求めた。
摂津市の森山一正市長は31日、報告書の公表を受けて記者会見し、「担当職員に安心や慣れが生じ、リスクの捉え方を誤った。認識が甘かった」と謝罪した。