政府は31日、自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場を東京・大手町に開設し接種を始めた。18歳以上の3回目接種が対象で、米モデルナ製を使う。大阪会場も2月7日にスタートする。遅れが指摘されている3回目の加速化が狙いだが、この日は予約した720人限定の接種。昨年の自衛隊会場に比べ人数は少なく、効果は見通せない。
「自衛隊東京大規模接種会場」と書かれた大看板の前をぽつりぽつりと人が出入りした。昨年5~11月の自衛隊の大型接種では、東京は1日当たり1万人、大阪は5000人体制だったが、この日の東京会場の人数は720人。2月7日から2160人に拡大(大阪は1日960人見込み)されるが、昨年より大幅に減る。理由について、東京会場の「大手町合同庁舎3号館」が老朽化で使えるスペースが限られることや、大阪会場も確保できた民間ビルの大きさを考慮したという。
東京会場で接種を行った60代の男性は「1回目、2回目も同じ会場で接種した。その時はフロア移動があったが、今回は1フロアだけ。会場にいる人数も少なく安心できる」と話した。さいたま市在住の飲食業の男性(69)は「ワクチン以外にコロナに対抗する手段がない。早く打ちたい」と大規模接種を選んだ。
政府の集計によると、28日現在で3回目のワクチン接種を終えた人は2・7%にとどまる。岸田文雄首相は東京会場を訪れ、記者団の取材に「必要性や(1、2回目と異なるワクチンを打つ)交互接種の有効性を国民に丁寧にお知らせしたい。接種券が届いたらスピード優先で受けてほしい」と述べた。
接種には、市区町村からの3回目接種券が必要で、専用サイトなどで予約した人に限る。2回目から6か月以上経過しているのが条件で、居住地の制限はない。2月5日までの予約は、1月28日の受け付け開始から9分間で全て埋まり、2月7日から13日の予約はこの日の受け付け開始から17分以内に埋まったが、今後のニーズは不透明だ。
昨年5月から夏にかけては全国で接種予約が取りにくい状況で、自衛隊会場への期待が高かったが、各自治体の体制が整った終盤には需要は激減、枠が埋まらない日が続いた。3回目接種でも同様の懸念がつきまとう。会場で使う米モデルナ製は2回目接種で副反応の報告が続出。敬遠する人が多いと影響が出かねない。自治体によっては接種券の発送が遅れるケースもあり、予約の停滞につながる恐れもある。