富山県の新田八朗知事が同県滑川市長選(6日投開票)の個人演説会で、応援する候補者への支持を広げる意味合いで「クラスターを広げて」などと発言したことが明らかになった。新田知事が4日の記者会見で事実関係を認め「一つの例えとして申し上げたが、適切ではなかった」と陳謝した。
関係者によると、新田知事は告示後の1月31日、候補者名に続ける形で「クラスターを広げていただきたい」と発言。さらに「今は(新型)コロナであまり良くない言葉だが、クラスターとは本来は『人の塊』のこと」などと述べたという。
県内では1月に入って新型コロナウイルス感染が急拡大し、同月中にクラスター(感染者集団)が25例確認されている。
SNS(ネット交流サービス)では新田知事の発言について「感染対策の第一線で指揮していたらクラスターなんて言葉は出てこない」「保育園や学校でクラスターが起きている最中によく言える」などと批判が相次いでいる。【砂押健太】