岸田政権の功罪 存在感弱い日本の外交 岸田首相や林外相は図々しく大胆に振る舞うべき 韓・仏大統領選に照準、すぐに動ける準備を

岸田文雄首相の外交手腕が懸念されている。外相を歴代最長の4年7カ月も務め、就任後は「新時代リアリズム外交」を打ち上げたが、国際社会で存在感を発揮できていないのだ。政界屈指の「親中派」である林芳正外相が日本記者クラブの会見で披露した宏池会の伝統「楕円(だえん)の理論」には、「米中二股外交ではないのか」という警戒感も強い。評論家の八幡和郎氏が、3月の韓国大統領選や、4月のフランス大統領選を見据えて、「岸田外交」に注文を付けた。 ◇ 北京冬季五輪が4日に開幕する。習近平国家主席になって、巨大経済圏構想「一帯一路」や、「強権主義」で問題を起こしている中国での五輪開催は素直に喜べないが、もはや国威発揚にはなりそうもない。 岸田政権の北京冬季五輪への対応(=『外交的ボイコット』とはいわないが、閣僚や政府高官ら政府関係者は派遣しない)は、結果的には常識的なものだ。だが、国内世論や欧米諸国、中国などの顔色をみながらの方針決定は、いかにも格好が悪くアピール力がなかった。 私なら、最初から「東京五輪での中国と同等の対応をするが、五輪開催国として不適切なことには意見を言う」とメリハリをつける。 岸田政権の外交は、外務省の意見に少し政治的配慮を加えて、党内の不満を爆発させないのが基本だ。 だが、安倍晋三元首相のように、トップリーダーが「意外性」とか、「パフォーマンス」「摩擦を覚悟の勇気」を見せないと、日本の外交の存在感を発揮できない。 安倍氏は首相時代、米欧と綿密な連絡を取りながら、イランを訪問したり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と頻繁な交流をした。すぐに結果が出なかったとしても、世界は評価していたのだから見倣うべきだ。 岸田首相も林外相も、満を持しての登板なのだから、即戦力として図々(ずうずう)しく大胆に振る舞ってほしい。過去の「嫌われない外交」は日本の国益にならなかった。「タカ派的立場をとれ」ということでない。中国の顔も時には立てることも必要だが、そのときは、「さすが日本」と世界からも中国人からも評価されなくてはならない。 3月の韓国大統領選では、与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補と、最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の勝負の行方が混沌(こんとん)としている。 4月のフランス大統領選では、現職のエマニュエル・マクロン大統領に対し、共和党のバレリー・ペクレス候補が決選投票に残れば互角になる。
岸田文雄首相の外交手腕が懸念されている。外相を歴代最長の4年7カ月も務め、就任後は「新時代リアリズム外交」を打ち上げたが、国際社会で存在感を発揮できていないのだ。政界屈指の「親中派」である林芳正外相が日本記者クラブの会見で披露した宏池会の伝統「楕円(だえん)の理論」には、「米中二股外交ではないのか」という警戒感も強い。評論家の八幡和郎氏が、3月の韓国大統領選や、4月のフランス大統領選を見据えて、「岸田外交」に注文を付けた。

北京冬季五輪が4日に開幕する。習近平国家主席になって、巨大経済圏構想「一帯一路」や、「強権主義」で問題を起こしている中国での五輪開催は素直に喜べないが、もはや国威発揚にはなりそうもない。
岸田政権の北京冬季五輪への対応(=『外交的ボイコット』とはいわないが、閣僚や政府高官ら政府関係者は派遣しない)は、結果的には常識的なものだ。だが、国内世論や欧米諸国、中国などの顔色をみながらの方針決定は、いかにも格好が悪くアピール力がなかった。
私なら、最初から「東京五輪での中国と同等の対応をするが、五輪開催国として不適切なことには意見を言う」とメリハリをつける。
岸田政権の外交は、外務省の意見に少し政治的配慮を加えて、党内の不満を爆発させないのが基本だ。
だが、安倍晋三元首相のように、トップリーダーが「意外性」とか、「パフォーマンス」「摩擦を覚悟の勇気」を見せないと、日本の外交の存在感を発揮できない。
安倍氏は首相時代、米欧と綿密な連絡を取りながら、イランを訪問したり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と頻繁な交流をした。すぐに結果が出なかったとしても、世界は評価していたのだから見倣うべきだ。
岸田首相も林外相も、満を持しての登板なのだから、即戦力として図々(ずうずう)しく大胆に振る舞ってほしい。過去の「嫌われない外交」は日本の国益にならなかった。「タカ派的立場をとれ」ということでない。中国の顔も時には立てることも必要だが、そのときは、「さすが日本」と世界からも中国人からも評価されなくてはならない。
3月の韓国大統領選では、与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補と、最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補の勝負の行方が混沌(こんとん)としている。
4月のフランス大統領選では、現職のエマニュエル・マクロン大統領に対し、共和党のバレリー・ペクレス候補が決選投票に残れば互角になる。