福島県立博物館(会津若松市)は5日、いわき市内で約40年前に発掘された約8600万年前(中生代白亜紀)の化石が、草食恐竜「鳥脚類(ちょうきゃくるい)」の大腿(だいたい)骨の一部だったと発表した。同館の吉田純輝学芸員(30)らでつくる研究グループが発見し、体長1メートル程度の小型の鳥脚類と推定した。日本にある中生代白亜紀の地層から発掘された化石が鳥脚類と特定されたのは初めて。
鳥脚類は二足歩行や四足歩行をする恐竜で、イグアノドンやカムイサウルスなどが知られるが、この化石の特徴から鳥脚類より詳細なことは分かっていない。
発表によると、化石は長さ約10センチ、幅約4センチ。1981~82年にいわき市大久町の地層(双葉層群玉山層)から発掘された。当時は爬虫(はちゅう)類の化石と分類され、同市石炭・化石館で長年保管されていた。
しかし、2021年に吉田氏らが同館を訪れて調べたところ、化石の特徴から恐竜の可能性があると気付き、化石館と国立科学博物館も含めて共同で研究を開始。化石の大きさや断面などから鳥脚類と特定し、体長を約1メートルと推定した。中型や大型だけでなく、小型の鳥脚類も生息できる多様で豊かな環境があったと考えることができるという。
吉田氏は「8900万年~8600万年前の恐竜の化石は、日本ではほとんど見つかっていない。今回の発見は、かつての東アジア大陸の沿岸部にいた恐竜を知る重要な要素だと考えられる」と話した。研究成果は、5日にオンラインで行われた日本古生物学会で発表された。【肥沼直寛】