埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり事件。無職の渡辺宏容疑者(66)が在宅介護をしていた母親の弔問に訪れた医師らに散弾銃を発砲し、1人が死亡する事態となった。
「容疑者は犯行の動機を『母親が死んで、この先いいことはないと思った。自殺しようと思い、先生やクリニックの人を巻き込んで殺そうと思った』と話している。驚くべきは、容疑者が散弾銃を2丁も所持していたことです。2000年と2008年に購入し、2020年に所持許可証が更新されているもので、自宅の2階には銃や弾の保管庫も設置されていた」(全国紙社会部記者)
容疑者はなぜ銃を持っていられたのか。
「所持が認められるまでには、厳しい条件をクリアしなければならない」と語るのは日本クレー射撃協会だ。
「まず筆記と実技試験を通らなければなりません。筆記試験は覚えることが多く、かなり念入りに勉強しなければ受からない。筆記に合格すると、射撃場で実技試験を受けます。これは25枚の的を撃ってそのうち2枚が割れれば合格です。その後、所轄の警察が身辺調査を行ないます。本人の人となりを近所に聞き込んだり、家族との関係性や親族に暴力団がいないかなどを調べるとされ、それをクリアして初めて所持許可証がもらえます」(同前)
だが、一度許可が下りると、それ以降の更新は簡単だと、銃砲販売店関係者は話す。
「銃は許可証の更新のために、4年に一度の技能講習と、3年に一度の銃砲検査がありますが、身辺調査が追加で行なわれることはあまり聞きません。渡辺容疑者は以前から複数の介護事業者や医療機関とトラブルを起こしていたとも報じられていますが、それらを警察が調査していれば、許可証が更新されることはなかったのでは」
渡辺容疑者の知人はこう言う。
「とにかく母親第一で、母親に関することで夜中に何度も電話をしてきたり、スイッチが入ると変な方向に暴走する感じはありました」
許可見直しの議論が待たれる。
※週刊ポスト2022年2月18・25日号