東京3歳衰弱死 母に懲役8年判決「つらさと苦しみ言葉にしがたい」

東京都大田区の自宅マンションに3歳の長女を9日間放置して衰弱死させたとして、保護責任者遺棄致死罪などに問われた母親の梯(かけはし)沙希被告(26)の裁判員裁判で、東京地裁(平出喜一裁判長)は9日、「悪質かつ身勝手な犯行で、かけがえのない幼い命が奪われた」として、懲役8年(求刑・懲役11年)の判決を言い渡した。
判決は、梯被告が2020年6月5~13日、長女稀華(のあ)ちゃんがいる部屋のドアの外側にソファを置いたまま、交際相手がいる鹿児島県に旅行に向かい、高度脱水症と飢餓で死亡させたと認定。稀華ちゃんはおむつを着けたまま放置されたとし「最もそばにいてほしかったであろう母親に助けを求められないまま、一人衰弱していったつらさと苦しみは言葉にしがたい」とした。
被告は公判で「たくさんの飲食物を置いていった」と主張したが、判決は「飲食物を置いて、おむつを着けてさえいれば生きられると軽信し、誤った判断を積み重ねた」と批判した。
弁護側は、被告が子どもの頃に虐待された影響を考慮するよう主張したが、判決は「相手の要求に過剰に応えようとする性格傾向があり、旅行の誘いを断り切れなかった事情はあるが、考慮する程度には限りがある」と判断した。
判決後に裁判員の記者会見があり、20代女性は「虐待を受けた人が虐待を起こしてしまったと思った。虐待の連鎖で悲しい」と話した。【遠藤浩二】