日本の対応“後手後手” 北京五輪のスマホ情報セキュリティー パラでは使い捨てスマホ配布も

北京冬季五輪で選手らが中国に持ち込んだスマホの情報が、諜報活動などで抜き取られる危険性が懸念されている。日本政府は帰国時の航空機内で公式アプリ「MY2022」の削除を徹底し、帰国後も同意の上で専門家の検査を行うという。ただ、欧米各国に比べると対応は後手後手というしかない。
「日本選手団の情報セキュリティーの確保に万全を期したい」
松野博一官房長官は9日の記者会見で、こう語った。
ただ、欧米では中国の通信回線を通じたスパイ活動を警戒し、私用スマホを持ち込まないよう周知していた。日本政府は開幕直前に注意を呼びかけたため、帰国便からの対応となるようだ。
情報セキュリティー会社「ラック」の広報担当者は「一般論となるが悪意を持ったアプリには、端末内のデータを吸い上げるシステムが仕組まれる場合もあり、窃取される可能性がある。不正アプリを使い続けると、データ流出のリスクは継続する。欧米では使い捨てスマホが推奨されていた」と解説する。
米国では、昨年9月の勧告書で警戒を呼びかけており、日本の対応の遅れが目立つ。批判を受けて、3月4日開幕のパラリンピックの日本選手団にはレンタルした端末の配布を徹底するようだ。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「中国の情報機関は甘くない。欧米の背中を追った対応では遅い。サイバー戦は常に戦時なので、日頃から海外のセキュリティー当局の第一線と緊密に情報交換し、政策決定できる態勢づくりをすべきだ」と語った。