弘兼憲史さん「制作者を侮辱」…漫画村の元運営者逮捕

違法にコピーした人気漫画を無断で公開していた海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)を巡る著作権法違反事件で、サイトの元運営者で国際手配されていた星野

路実
( ろみ ) 容疑者(27)が24日、拘束されていたフィリピンから強制送還された。福岡県警などは同日、著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕。県警は国内最大級の海賊版サイトを運営していた中心人物とみて実態解明を進める。

「漫画家にとって作品は財産であり、分身や子ども。海賊版サイトは、苦労しながら作品を世に送り出している制作者を侮辱するものだ」。漫画家の弘兼憲史さんはそう強調する。自身も人気漫画「島耕作」シリーズが海賊版サイトに掲載されたことがある。
駆け出しの漫画家は、何度も作品を出版社に持ち込み、突っぱねられながらも作品を生み出していく。こうした創作の現場を踏まえ、「『面白かったよ』と言ってもらえるのが漫画家の喜びだが、漫画文化を育て、次世代に継承するためには、リターンも必要。リターンがない世界には才能ある人は集まらない」とし、著作権保護の必要性を訴える。
大手出版社などによると、出版社側が削除要請を繰り返して閉鎖に追い込んだ海賊版サイトもある。しかし、漫画村が閉鎖した後もサイトは次々に登場、いたちごっこが続いている。
中でも悪質とされたのが、星野容疑者の氏名をもじったとみられる海賊版サイト「星のロミ」で、今年8月には月間約3900万のアクセスを集めた。このサイトには、大手出版4社が損害賠償と運営者情報の開示を求めて米ニューヨークの裁判所に提訴し、現在はアクセスできない状態になっているという。米国で提訴したのは、米企業のネットワークが利用されていたためだ。
著作権問題に詳しい福井健策弁護士は「星野容疑者の逮捕は、次々登場する海賊版サイトへの警告となる点で意義は大きい。運営者は、刑事責任だけでなく民事上でも

莫大
( ばくだい ) な賠償責任を負う可能性がある。閲覧する側も、こうしたサイトを見ることは漫画やアニメの作り手の収入を奪い、創作活動に悪影響を与えると自覚する必要がある」と語る。