遠山元議員、悪質性の立証焦点 多額の謝礼と繰り返された違法仲介

貸金業の登録を受けずに日本政策金融公庫の新型コロナウイルス対策特別融資の仲介を繰り返したとして、貸金業法違反(無登録営業)に問われた元副財務相で元公明党衆院議員の遠山清彦被告(52)は14日、東京地裁(丹羽敏彦裁判長)で開かれた初公判で起訴内容を認めた。
遠山被告による違法な融資仲介は、当初は支援者の依頼に応える政治活動のような側面もあったが、2021年2月に議員辞職した後はビジネスの要素が前面に出るようになった。貸金業法は「事業」として無登録で融資仲介することを禁じており、仲介の反復性や謝礼の多さといった悪質性の立証が量刑を左右することになる。
遠山元議員が起訴された融資仲介111回のうち29回は、有力支援者だった牧厚被告の依頼を受けたものだった。この29回の大半は、国内で新型コロナウイルスの感染拡大が本格的に始まった20年4~9月ごろ。遠山元議員が日本政策金融公庫を所管する財務省の副大臣に就いていた時期と重なる。
牧被告は在宅起訴前に毎日新聞の取材に対し、6年ほど前から年間500万円程度を遠山元議員に「闇献金」として渡していたとし、「支援してきたのだから必ず協力してくれると思った」と説明した。特捜部は当初、牧被告が主導したと見て捜査を進め、遠山元議員も「融資仲介は支援者の依頼を受けた政治活動の一環」などと説明していた。
だが、遠山元議員は議員辞職後の21年3月、東京都内に自身が代表のコンサルタント会社を設立。貸金業登録をしないまま議員時代の元秘書に指示して公庫に掛け合い、融資が実現した業者から謝礼をもらっていた。単独で罪に問われた回数は82回で、牧被告と共謀した回数の3倍近い。
無登録営業の法定刑は10年以下の懲役または3000万円以下の罰金と重い。遠山元議員が融資仲介を繰り返していたことから、検察側は反復性の立証に自信を見せる。さらに、受領したとされる謝礼の総額は約1000万円と多額だ。検察幹部は「公庫への融資仲介は他の議員もしているかもしれないが、謝礼をもらうのはアウト。政治活動ではなく、完全なビジネスだ」と指摘する。
遠山元議員は捜査段階から容疑を全面的に認め、反省を示していたという。執行猶予付きの判決になるかどうかが現実的な争点となりそうだ。【志村一也】