落札率90%超え「以前から談合疑う声あった」 南富良野町長逮捕

総事業費11億円に及ぶ巨額公共工事が食い物にされていたのか――。「道の駅 南ふらの」の再編工事を巡る一般競争入札で非公表の入札情報を業者側に漏らしたとして、北海道警捜査2課は14日、南富良野町長の池部彰容疑者(72)=同町幾寅=を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕した。入札直前に談合を疑う情報が飛び交い、逮捕容疑を含め入札3件はいずれも高い落札率。道警は漏えいの背景を追及し、談合の実態解明を目指す。
「町にとって数少ない大型工事」。町の関係者は、道の駅の再編工事をこう語る。今年4月末のオープン予定で年間40万人の来訪者を目指し、隣接する町有地に商業施設などを建設する計画。総事業費約は11億円に上り、人口2300人余の町にとっては大事業だ。
談合情報は入札直前の21年6月中旬、町議らの元に匿名の投書でもたらされた。池部容疑者の関与を指摘し、逮捕容疑となった機械設備工事のほか、建築主体工事、電気設備工事の落札予定業者の名前がそれぞれ記され、同月18日の入札で実際に落札したという。
機械設備工事は、公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕された有我充人容疑者(54)=上富良野町西町2=が社長を務める「有我工業所」が代表会社のJVが1億2290万円で落札した。予定価格1億2551万円に対する落札率は98%だった。別のJVが落札した建築主体工事、電気設備工事も落札率は97%を超えた。
「以前から町長周辺で談合を疑う声は上がっていた」。こう話すのは、投書を受け取った酒井年夫町議(80)。同23日の町議会で「落札率が90%台半ばを過ぎると『(談合の)臆測』が生じる。公平な入札が行われたのか」と質問し、池部容疑者は「私が首謀したとか関与したとか、そんなことは一切ございません」と答弁した。
町長逮捕を受け、職務代理者となった高橋秀樹副町長は14日、報道陣に「第三者で調査をした上で入札を実施した。業者側に談合は『やっていない』と誓約書を提出してもらった」と説明した。一方、町議の1人は「議会側のチェック機能にも問題があったのでは」と語り、議会で追求する構えを示した。【谷口拓未、高橋由衣、土屋信明】