新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が急拡大した年明け以降の「第6波」の中で、東京都で死亡した感染者の7割超に何らかの基礎疾患があり、感染経路は老人ホームなどの施設内が4割を占めたことが判明した。都が1月1日~2月15日に発表した死者計158人の症状などを毎日新聞が集計した。年代別では60代以上が9割を占めた。オミクロン株は重症化リスクが比較的低いとされるものの、基礎疾患を抱えた人や高齢者には脅威となる実態が浮き彫りになった。
死者は1月中は26人だったが、2月1~15日は132人と急増している。男性86人、女性72人。年代別では20~40代が計6人、50代が8人だったのに対し、60代14人▽70代26人▽80代47人▽90代52人と、年齢が上がるにつれて死者数が増えていた。100歳以上は5人だった。
基礎疾患の有無を見ると、少なくとも117人(74%)には何らかの基礎疾患があった。1人が複数抱えているケースもある疾患ごとに集計すると、高血圧が39人で最多。糖尿病は21人、がんは19人だった。脂質異常は6人、肥満が3人。疾患の部位別では、心臓22人▽脳20人▽腎臓13人▽肺9人――となった。
感染経路は施設内感染が64人と最多で、4割を占めた。特別養護老人ホームやデイサービス施設など高齢者施設で感染が広がる事例が目立った。院内感染は28人で、家庭内感染は9人。ワクチンについては、接種の有無が分かっている89人のうち64人が2回接種済みで、1人が1回、24人が接種を受けていなかった。
都内の感染状況を分析する17日のモニタリング会議では、新規感染者に占める高齢者の割合が上昇しつつある点が指摘され、国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は「高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすとともに、基本的感染対策を徹底し、ワクチンの3回目接種を強力に推進する必要がある」と述べた。
大曲氏は会議後、取材に対し「毎年、インフルエンザの季節に心臓や腎臓が参ってしまい、亡くなる方がかなりいる。オミクロン株も同じような状況。年齢の高い方にとってインフルやコロナにかかるのは、とても体に負担がかかること」と述べ、高齢者の感染予防の必要性を訴えた。【黒川晋史】