特別名勝の松原の県道、折れた木に軽自動車衝突し男児死亡…国・県・市に賠償提訴へ

佐賀県唐津市にある国の特別名勝・虹の松原を通る県道で2019年、折れた松の木と軽乗用車が衝突し、助手席にいた小学5年の男児(当時11歳)が死亡した事故で、遺族が国と県、市を相手取り、総額約3100万円の損害賠償を求める訴えを佐賀地裁に起こすことが関係者への取材でわかった。
事故は同年7月20日に県道虹の松原線で発生した。折れた松の木(幹回り約3メートル)と軽乗用車が衝突し、男児が亡くなった。
遺族の代理人弁護士によると、この県道では、03年から事故が発生するまでの16年間で、枝の落下などによる物損事故や人身事故が計21件発生していた。
12年12月には、今回の事故につながった松について、道路を管理する県唐津土木事務所が「倒木の危険がある」として、虹の松原に関する事務処理を担当している唐津市教育委員会に伐採を申請したが、「しばらく生育を観察する」などとして不許可になった。その後も事故防止策は取られていなかった。
男児の母親(39)は読売新聞の取材に対し、「松が伐採されていれば、と今も怒りがこみ上げてくる。同じような被害者が出ないよう訴訟を通じて危険な松の伐採を求めていく」と話している。
市教委は「これまで損害賠償の責任はないと言ってきた。見解は変わっていない」、県唐津土木事務所は「遺族へは丁寧な対応を考えているが、具体的には申し上げられない」とした。