2月21日、二階派(志帥会)が片山さつき参議院議員(62)に異例の派閥退会勧告を出していたことが報じられた。二階派が所属議員に退会勧告を出すのは初めてのこと。
片山氏の二階派退会を巡っては2月17日発売の「週刊文春」がいち早く報じ、永田町で話題となっていた。その記事を再公開する。(初出:週刊文春 2022年2月17日号 年齢・肩書き等は公開時のまま)
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片山氏の二階派脱退「なぜだか全然報道されない」の困惑
「あれは誤報ですよ」
自民党関係者がこう囁くのは、1月20日に各社が報じた、こんなニュースだ。
〈岸田派、第4派閥に並ぶ石田真敏元総務相が入会〉
無派閥だった石田氏が岸田派に入ったことで44人となり、主要5派閥の中で最下位に甘んじていた総裁派閥が、二階派と並んだという報道だ。
「実はその前からすでに二階派は43人。片山さつき元地方創生担当相(62)が、退会しているんです。二階俊博氏が幹事長を退いたことで、もうここにいる意味はないと見切ったのでしょう」(同前)
だが、片山氏の二階派脱退は、まったく報じられていない。
「片山氏は周囲に、『二階派には退会しますとすでに伝えているのに、なぜだか全然報道されない』と困惑気味に漏らしています。ただ、二階派は二階氏の人柄同様“融通無碍”で、入会届も退会届もありません。どこかに嗅ぎつけられない限りは岸田派と並んで第4派閥と言わせておけばいい、と判断しているのでしょう」(同前)
そうこうするうちに、2月3日、青森2区から昨年初当選した神田潤一氏も岸田派入りし、晴れて同派が45人で単独第4派閥になった旨が報じられた。
片山氏といえば、東大法学部から旧大蔵省に進み、女性初の主計官に。23年務めた財務省を辞して挑んだ2005年の郵政選挙で初当選し、“小泉チルドレン”の代表格として知名度を上げた。小泉氏の教えを守って当時は無派閥を貫いた。その後、落選を経て参院議員として復活すると、伊吹派(後に二階派)入り。18年には、当時権力の絶頂にあった二階幹事長の威光もあって、念願の大臣ポストを射止めた。
「大恩ある二階氏が幹事長を退くやいなや、さっさと退会するのは義理人情に欠ける」(二階派関係者)
片山氏の次の狙いは、今夏の参院選とみられている。全国比例で当選を重ね、今夏に改選を迎える片山氏は、中川雅治元環境相の引退で空いた東京選挙区での公認を窺っているという。
片山事務所に真意を尋ねたところ…
「中川氏は安倍派所属だったので、同派で都連会長の萩生田光一経産相は後継も安倍派からと主張している。片山氏が二階派を抜けたのは安倍派に入会する布石だろう」(前出・党関係者)
片山事務所に二階派脱退の時期や理由、今後安倍派入りや参院選での東京選挙区出馬を目指すのかを聞くと、それには答えず「昨年7月、参院選比例代表候補者として党より公認を頂いている」旨の回答が届いた。
「機を見るに敏」は政界遊泳に必要不可欠な資質だろうが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」でもある。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年2月17日号)