大阪府では新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫する中、高齢者を中心に、本来は入院して治療を受けなければいけない患者が自宅で療養中に症状が悪化するケースが増えています。 2月21日の大阪府の新規感染者は4702人です。21日から延長となったまん延防止等重点措置について、吉村洋文知事は次のように述べました。 (大阪府 吉村洋文知事) 「効果というのは一定僕はあると思っています。それがどのくらいの効果っていうのはなかなか専門家じゃないのではかることはできないですけど、明らかに人流が低下もしている」 一方、病床は相変わらずひっ迫しています。2月9日、葛西医院の小林正宜院長が訪ねたのは、新型コロナに感染した大阪市内に住む60代の男性です。当初は軽症と判断され自宅療養していましたが、10日後に再び発熱し症状が悪化しました。 【往診の様子】 (院長)「しっかり寝てます?」 (男性)「寝てます) (院長)「水分とってます?」 (男性)「とってます」 (院長)「よかったです。きょうから点滴するのが、酸素が下がった状態になって重症になった方への点滴の治療薬です」 小林院長は、重症患者などに使用する抗ウイルス薬「レムデシビル」を投与しました。 (葛西医院 小林正宜院長) 「1月の下旬ごろから、在宅療養でも(レムデシビルの)使用が可能になった。点滴治療薬で使える中で今回初めて使用したと」 新型コロナの感染拡大により、大阪府では軽症・中等症患者用の病床の使用率は86.9%(2月20日時点)に上っていて、病床はひっ迫しています。医療機関へ入院がしにくくなる中、自宅療養者の往診にあたる医師のチームには、本来なら入院して治療を受けなければならない重症化リスクが高い高齢者からの要請が急増しているということです。 (葛西医院 小林正宜院長) 「本来であれば、重症化した患者さんは早急に入院して病院で安全にしっかりした環境の中で治療していく。入院が必要でも病床がいっぱいで受け入れが難しい」 【往診の様子】 (院長)「お大事にしてください。また来ますよ、頑張りましょう」 (男性)「はい」 60代の男性はレムデシビルの投与後、容体が落ち着いたということです。 一方、小林院長が2月15日に訪ねた大阪市内に住む別の60代男性は、発症してから10日以上経っても発熱・せき・下痢などがの症状が続いていました。 【往診の様子】 (院長)「今、息苦しさどうですか?」 (男性)「息苦しいですけどね。トイレ行ってもふらついて、ここに戻ってくるのが精いっぱい」 小林院長は男性に室内を歩いてもらい、酸素飽和度をはかってみると、入院が必要な中等症2の状態に悪化していました。 【往診の様子】 (院長)「今ね(酸素飽和度が)93まで落ちた。熱が出ているのが続いているのと合わせるとおそらく肺炎が全然治りきっていない。中等症2という状態。これは重症の一歩手前。今、入院の手配をしていただいたが、時間がかかりそうです。きょうも同じように酸素飽和度93でそれでも救急車が運んでくれなかった事例があったみたいなので、きょう手配してどこまで対応してもらえるかはっきりわからないです」 実際に、この男性が搬送されたのは入院の手配から24時間経った後でした。 (葛西医院 小林正宜院長) 「気付いた時にはもうかなり状態が悪いということもありえますので、早期の入院が必要なんだろうとは思いますが、現時点で入院がスムーズにいくというような状況ではまだありません」