解剖学の実習用に提供した遺体の遺骨を兵庫医科大(兵庫県西宮市)に放置されて精神的苦痛を受けたとして、遺族が22日、大学を相手取り、1100万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。
遺族は兵庫県宝塚市の女性(64)。訴状によると、女性の父親は2014年2月に82歳で亡くなり、生前の希望で同大学に献体された。遺体は15年1月に実習に使われ、同4月に火葬されたが、大学側は遺骨を返還せず、21年10月に問い合わせを受けるまで放置したとしている。
女性は「遺骨が父かどうか分からない」として受け取りを拒否。この日、提訴後に神戸市内で記者会見し、「大学の役に立ちたいとの父の思いが踏みにじられ悔しい」と話した。
同大学では献体を受けた別の2人の遺骨も放置されていた。同大学は「深くおわびし、再発防止に取り組む」とのコメントを出した。