政府は1日、ウクライナに軍事侵攻したロシアへの追加制裁として、プーチン大統領やロシア中央銀行の資産凍結を閣議了解した。米国や欧州と連携して政権中枢へのダメージを狙ったもので、日本が対ロ包囲網の「抜け穴」となるのを防ぐ。
対象の個人はプーチン氏のほか、ラブロフ外相、ショイグ国防相、ゲラシモフ軍参謀総長、パトルシェフ安保会議書記、メドベージェフ同副議長。銀行は、米欧も制裁に踏み切った開発対外経済銀行、プロムスビャジバンクも指定した。各個人・団体は預金引き出しや送金などの金融取引が制限される。
岸田文雄首相は1日未明、米国など各国首脳との電話会談で「力による現状変更を試みることへのコストを明確に示していく」と表明。外務省幹部は「ロシアの行動を考えればほかの対応を取る余地がない」としており、現時点で想定される最大限の圧力をかけた形だ。
中でもロシア中銀は、海外に持つ外貨準備資産で通貨ルーブルを買い支えることができなくなり、同国経済に打撃となりそうだ。これに関し、松野博一官房長官は1日の記者会見で「(日本の制裁参加は)ロシア中銀が制裁の効果を損なう形で外貨準備を展開することを阻止することにつながる」と効果を強調した。
[時事通信社]