新型コロナウイルスの東京都内の感染者数が1日、累計で100万人を超えた。都民の14人に1人が既に感染した計算になる。100万人のうち約60万人は1月以降の「第6波」での感染者で、変異株「オミクロン株」の猛威が改めて浮き彫りになった。都内で感染が初めて確認されてから2年あまりが経過したが、収束の見通しは立っていない。
都内で初めて感染が確認されたのは2020年1月24日。旅行のため中国湖北省武漢市から来日した40代男性が発熱し、国立感染症研究所の検査で感染が判明した。累計の感染者数は同年3月に100人を上回り、「第1波」後の5月には5000人を超えた。
その後も2~4波と感染拡大の局面を迎える度に感染者数は膨らみ、東京オリンピックの開催期間と重なった「第5波」の21年7月下旬には20万人を突破。感染者数が急減した10~12月は38万人台を維持したが、その後はオミクロン株の拡大により、1月中旬から1カ月余りで100万人に到達する事態となった。
週平均の新規感染者数は2月28日時点で約1万1259人。前週の約77%と減少傾向にあるものの、「第5波」当時の最大値だった約4923人を大きく上回っており、都福祉保健局の担当者は「極めて高い水準で推移している」と話す。都は臨時医療施設の整備といった医療提供体制の強化と、3回目のワクチン接種を進めている。【黒川晋史】