葛飾危険運転公判 69歳被告「謝罪方法分からず」

東京都葛飾区で令和2年3月、赤信号を無視して軽ワゴン車で交差点に進入し、横断歩道を渡っていた小学5年、波多野耀子(ようこ)さん=当時(11)=と父親をはねて死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪に問われた元配送業、高久浩二被告(69)の裁判員裁判の第3回公判が11日、東京地裁(西野吾一裁判長)で開かれた。
量刑判断に関わる情状についての被告人質問が行われ、高久被告は「私の身勝手な行動で(耀子さんの)将来をつぶしてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪。遺族に謝罪文の受け取りを拒否された後、今回の公判まで謝罪しなかった理由については「謝罪の方法が分からず、コロナで連絡を控えてしまった」と釈明した。
次回14日には論告・弁論が行われ、結審予定。
検察側は、被告は平成27年10~11月に進路変更禁止違反など計3回の交通違反歴があることに触れ、今回の事故現場も車線変更が禁止されていた場所だったと指摘。被告は交差点先の駐車車両を追い越すために故意に赤信号を無視したと認め「車線変更は怖いというか危ないという思いがあり苦手だった」と述べた。
被害者参加制度を利用し質問に立った耀子さんの父、暁生(あきお)さん(44)が「『謝罪の方法が分からない』と遺族をほったらかしにしたのに、情状酌量の余地があると思うか」と問うと、被告は「値しないです」と短く答え、具体的な謝罪方法については「謝っていくしかないと思う」と述べた。
続いて質問した暁生さんの代理人弁護士から「(謝罪しない理由を)コロナのせいにされて遺族がどれだけ傷つくか想像できないのか」と聞かれると「申し訳ないです」と繰り返した。
この日は弁護側の情状証人として被告の長男も出廷。被告の釈放直後に警察署に付き添って免許証を返納させ、事故車両も廃車にしたと明かした。長男は「普段は乱暴な運転をする人間じゃないのに、何でこの時に限ってそんな運転をしたのか」と話す一方、事故当時67歳だった被告は配送業をしており、「免許返納は70歳を過ぎてから考えようと思っていた」とした。