タンス下敷き「大震災並み」=家の中散乱、避難の車列―福島

福島県では相馬市、南相馬市、国見町で震度6強を観測した。
相馬市では避難所2カ所に計160人が一時身を寄せた。妻と2人で避難した男性(77)は就寝中にタンスの下敷きになった。「揺れの激しさは東日本大震災と同じぐらい。(家の中は)散乱なんてもんじゃない。いつまでに片付くか分からない」と嘆いた。
避難所で防災倉庫から飲料水などを運び出していた市職員の男性は「訓練していたので素早く対応できた」。自宅で散乱した物を片付ける間もなく駆け付けたといい、「妻と子どもが心配だ」と話した。
市内ではブロック塀が倒壊するなどの被害が確認され、大勢の職員が対応に当たった。女性職員は「大きな揺れが来て、収まったと思ったら、さらに大きい揺れが来た。とても長く感じた。自宅は足の踏み場もない」と声を震わせた。
南相馬市の男性職員も地震直後に職場へ急行した。「(揺れは)2回連続で来た。棚から食器や本が次々と落ちてきた」と振り返った。小学生の2人の子どもも「怖い。どうなるんだろう」とおびえていたという。
国見町役場の女性職員は「2度目の揺れはすさまじく、立っていられないほどだった」。自宅の被害を確認する間もなく、役場に駆け付けた。「途中の信号が全部消え真っ暗だった。とにかく職員が集まって情報収集を急いでいる」と話した。
震度6弱だった福島市のJR福島駅では、東口で石のブロックに亀裂が入り、大通りには窓ガラスや壁の一部が散乱。避難する車の列も見られた。市内のタイ料理店を営む男性は「(最大震度6強を観測した)昨年2月の地震より大きく感じた」。食器が割れたり、油が飛び散ったりした状況に「片付けをどうしよう」とため息をついた。
[時事通信社]