突然の節電要請、暖房温度下げ照明消し…市民困惑「こんなに寒いのに」

関東や東北などに初めて「電力需給

逼迫
(ひっぱく)警報」が発令され、22日の電力供給は終日綱渡りが続いた。暖房の設定温度を下げたり、照明を消したり――。各地で厳しい冷え込みとなる中、市民や企業は停電を避けるため節電に取り組んだが、不満も漏れた。

「こんなに寒いのに協力しろと言われても」。16日深夜に激しい揺れに見舞われた東北では、地震で壊れた日用品の片付けに追われる住民らが突然の節電要請に困惑した様子を見せた。
最高気温が3度で、平年より8・1度低かった宮城県白石市。アルバイトの男性(75)の自宅は壁や天井が剥がれ落ち、冷たい風が吹き込む。「停電したら老体にこたえる。余震も続いて落ち着かない」と表情を曇らせた。
東京都狛江市のホームセンター「ユニディ狛江店」には、朝から灯油の在庫を尋ねる電話が相次いだ。1週間前に比べ、3倍弱の1200リットルが売れたという。
同市のアルバイトの男性(66)は「停電に備え、ストーブに使う灯油を買い足した。電力不足が早く解消してほしい」と心配そうだった。

節電の影響は市民生活に直結するサービスにも及んだ。JR東日本や私鉄各社では、駅の照明を落とし、一部の券売機の使用を中止に。京浜急行電鉄(横浜市)では午後から、ターミナル駅を除いた東京都と神奈川県の計30駅で、エスカレーターの運転を全て止めた。
「膝の調子が良くないので、つらい」。東京都品川区の新馬場駅では帰宅途中の会社員の男性(71)がため息をついた。
東京都江東区の深川立川病院では、院内の照明を普段より約3割暗くした。暖房は温度を5度ほど下げた20度に設定。約70人の入院患者には、看護師から説明して理解を求めたという。

22日は、新型コロナウイルス対策で18都道府県に適用されていた「まん延防止等重点措置」が解除された初日。深夜の営業を再開した店もあったが、東京・銀座で歩く人の姿はまばらだった。バー「ルークハウス」を経営する男性(69)は「せっかく重点措置が終わったけど、今夜は期待できない」とカウンターの奥でつぶやいた。
テレビ各局もスタジオの照明を抑えてニュース番組を放送するなど節電対策を実施。東京都新宿区のビックカメラ新宿西口店は、展示中のテレビ約200台のうち、半数の電源を消した。
ライトアップの取りやめも相次いだ。東京都墨田区の東京スカイツリーのほか、首都高速道路のレインボーブリッジ、横浜ベイブリッジなどの灯が消えた。
東京都では、ロシアに侵攻されたウクライナとの連帯を示すため、2月28日から午後6~11時に本庁舎をウクライナの国旗と同じ青と黄色に照らしてきたが、中止した。担当者は「電力逼迫の状況を考えると、消灯はやむを得ない。ライトアップはできなくても、ウクライナと連帯する思いは変わらない」と語った。