副社長が逮捕されるなど会社ぐるみの不正の疑いが強まってきたSMBC日興証券の相場操縦事件。日興生え抜きとして2020年からトップを務める近藤雄一郎社長の辞任は不可避だ。
金融商品取引法違反の疑いで逮捕された同社副社長執行役員、佐藤俊弘容疑者(59)は、特定銘柄の買い支えについて、エクイティ部元部長、山田誠被告(44)=同法違反罪で起訴=から直接報告を受けた疑いがもたれている。東京地検特捜部は、不正な株取引との認識があったとみて経緯を調べる。佐藤容疑者は逮捕前の任意聴取に「報告は受けたが違法性の認識はなかった」と説明していた。
近藤社長は24日夜に記者会見し、副社長が逮捕され、法人としても起訴されたことに関し「内部管理体制上の不備があったことは否定できない」と謝罪。「改善策を実行して信頼回復に努めていく」と進退について言及を避けたが、引責辞任は避けられない状況だ。
前身の日興コーディアル証券時代の06年、不正会計問題が発覚して当時の会長と社長が辞任。米シティグループとの合弁などを経て09年に三井住友フィナンシャルグループの傘下に入った。13年から2代続けて銀行出身者が社長だったが、20年に旧日興出身の近藤氏がトップに就いていた。
ある検察幹部は「日興だからこそ起きた事件だ」と指摘。「エクイティ部は本来、コンプライアンス(法令順守)の観点から不正な取引を止めなければいけない立場。それなのにむしろ、ゴーサインを出していた。刑事責任だけでなく経営責任も問われるのは当然だろう」と強調した。