「MEGA地震予測」東大名誉教授が警鐘 東北、北陸に大地震予兆か

3月16日午後11時36分、宮城、福島両県を最大震度6強の強い揺れが襲った。実はその7時間前、この地震発生に警鐘を鳴らした人物がいる。測量学の世界的権威である村井俊治・東大名誉教授だ。
村井氏が会長を務める地震科学探査機構が配信するアプリ・メルマガ「週刊MEGA地震予測」では、通常の予測とは別に、より切迫度が高い時だけ場所や時期などを明示した「ピンポイント予測」を発出している。その予測が掲載された3月16日午後4時配信号で〈4月20日頃まで〉に、岩手、宮城、福島3県〈東北地方〉の太平洋側で、〈M6.5±0.5〉の地震が起きると発出していたのだ。村井氏が語る。
「東北は地震前に衛星画像の解析などで前兆と思われる異常が観測されたため、ピンポイント予測を発出しました」(以下、「」内は村井氏)
MEGA地震予測は、国土地理院が全国約1300か所に設置した電子基準点のGPSデータを使って地表の動きを捉え、基準点の1週間ごとの上下動の「異常変動」、長期的な上下動の「隆起・沈降」、東西南北の動きの「水平方向の動き」という3つの主な指標を総合的に分析する。一昨年以降はAI(人工知能)による危険度判定や、衛星画像の解析も導入した。それらを駆使した最新の予測結果が、以下の5つの警戒ゾーンである。
■東北警戒ゾーン
東北は日本海側を含めて「異常変動」が見られ、引き続き要警戒だ。
「『水平方向の動き』では、地震後に反時計回りの動きが見られ、新たな歪みが溜まっている。今後も3月16日の福島県沖や18日の岩手県沖と同程度の地震が起きるのではと危惧しています」
最警戒すべきは、この東北だけではない。宮城、福島両県の地震を的中させた「ピンポイント予測」で、巨大地震の予兆がある地域をもう一か所発出しているのだ。
■北信越警戒ゾーン
村井氏は、〈4月12日頃まで〉に、石川県、福井県、岐阜県の一部の「北陸地方」で巨大地震の予兆があると警鐘を鳴らす。23日の午前9時23分頃に石川県能登地方で震度4の地震が発生したが、それを凌ぐ地震発生の可能性があるという。
「この半年、新潟県南部、富山県、石川県、岐阜県北部などで『異常変動』が集中しています。『隆起・沈降』では、北陸3県の広い範囲が沈降する一方、石川県の能登半島先端が隆起し、その境目にある電子基準点『輪島』や『穴水』周辺に歪みが溜まっていると考えられる。『水平方向の動き』では、1月下旬と2月中旬に長野県にある基準点『梓川』だけが周辺と異なる方向に大きく動いています。
北信越は、最新のAIによる危険度判定で東北に次ぐ全国2位で、衛星画像の解析でも地震の前兆と思われる異常が観測されている」
そのほか、北海道や中国などの警戒ゾーンは画像のMAPで示した。引き続き警戒が必要だ。
※週刊ポスト2022年4月8・15日号