卒業証書に他校の公印 4年間気づかず553人に授与

兵庫県尼崎市教育委員会は29日、市立小学校1校が卒業証書に別の小学校の公印の印影を誤って印刷し、平成30年度から令和3年度の4年間の全卒業生553人に授与していたと発表した。管理職らが卒業生宅を訪問して謝罪し、正しい公印の証書と差し替えるとしている。
市教委によると、この学校では今月18日に卒業式があり、卒業生が公印の誤りに気づいて保護者が学校へ連絡。同校で確認したところ、手作業で押した1カ所は正しい公印だったが、印刷された2カ所は他校の公印になっていたことが判明した。
同校では平成30年度から市内の全小中学校で導入している校務支援システムを使って証書を印刷。証書の印刷・作成研修で使われたサンプル証書の公印が今回誤って印刷された他校の公印で、両校間でデータのやりとりがあったことも確認された。保存した他校の公印を誤って証書印刷に使い続けていたとみられる。
担当の教員らが4年間気づかなかった原因について市教委は「両校の校名がよく似ており、公印が篆書体(てんしょたい)で読み取りにくいこともあったのでは」としている。