いじめ不登校の高2「学校が動いてくれない」とユーチューブで告白…430万回再生で市教委動く

兵庫県尼崎市立尼崎双星高校で昨年、2年の男子生徒がいじめを受けて不登校になり、市教育委員会が、いじめ防止対策推進法に定める「重大事態」と認定していたことがわかった。今月22日に第三者委員会も設置して調査を進める。一方、男子生徒がユーチューバーに相談した動画がインターネットに公開され、再生回数が伸びるなどした。
市教委によると、男子生徒は昨年度、加害側の生徒らから机に落書きされるなどして教員に相談。保護者を交えた面談もしたが、その後、学校に通えなくなった。
市教委は昨年8月に重大事態と判断し、学校に調査するよう指示。稲村和美市長にも報告した。
一方で、男子生徒は昨年12月、「学校が動いてくれない」として動画配信で人気があるユーチューバーの男性に相談。男性は男子生徒とともに学校を訪問し、教頭らに「解決できていない」などと厳しく指摘する動画をインターネットで公開した。動画は3本あり、合わせて430万回以上再生されている。
これらの事態を受け、市の「子どものための権利擁護委員会」が今年2月、市教委に対して第三者委の設置を求める提言書を提出した。市教委は、学校だけでの調査は不十分だとして、第三者委の設置を決めた。
動画をきっかけに、同校ではほかにも2年生の女子生徒がいじめを受け、重大事態と認定される事案があったことが判明。女子生徒は今年1月に退学した。
白畑優教育長は28日に開かれた市総合教育会議で、「もっと早く生徒に寄り添った対応をすべきだった」と謝罪した。第三者委は2件について、夏頃をめどに報告書をまとめる方針。