茨城県内の神社で、屋根などに付いてる銅板の窃盗被害が今年に入ってから急増している。県警によると、3月末までに16件確認されており、既に昨年1年間の7件を上回っている。新型コロナウイルスの影響で、金属類の価格が高騰しており、多くは売却目的で盗まれたとみられる。
「また剥がされた。やりきれない」。那珂市戸崎の鹿島神社の仲田昭一氏子総代長(78)はそう憤った。仲田さんは4日、拝殿の屋根や、拝殿から本殿にかけての
瑞垣
(みずがき)に釘で留められていた銅板が100枚以上剥ぎ取られているのを発見した。1日にも銅板の窃盗被害が確認されており、修繕には、100万円以上かかる見通しだという。同神社は那珂署に被害届を提出。同署は窃盗事件として捜査している。
仲田さんら関係者らによると、同神社では2020年にも、同様に銅板が剥がされる被害に遭っていた。そのため、再発防止のため外からの見渡しを良くしようと、木の伐採などに取り組んできた。仲田さんは「地域一体となって警戒していただけに悔しい」と述べた。
県警によると、今年1月から3月末までに認知した銅板の窃盗被害は17件。そのうち神社での窃盗は16件だった。昨年の神社での窃盗は7件で、既に昨年を上回っている。背景にあるのは金属価格の高騰だ。ある金属業者は「新型コロナ禍で価値の変動の少ない金属の資産価値が高まったためではないか」と指摘する。なかでも神社の屋根は面積が広く、剥がせる量も多いといい、「多額に換金できるのではないか」(県警担当者)との指摘もある。
相次ぐ窃盗被害を受け、同神社の関係者は防犯カメラの設置も状況次第で検討していくという。また、県警ではパトロールを強化しており、「不審な人物を見たら通報してほしい」と呼びかけている。