化粧品会社「ディーエイチシー(DHC)」(東京都港区)がホームページに在日コリアンを差別する文章を掲載した問題で、日本弁護士連合会は人権侵害に当たるとして、文章を出した創業者の吉田嘉明会長と同社に警告書と調査報告書を送り、差別的な言動を繰り返さないよう求めた。
日弁連に人権救済を申し立てていたNPO法人「多民族共生人権教育センター」(大阪市)が8日、明らかにした。警告は3月28日付。
調査報告書によると、DHCは2020年11月、吉田会長の声明として、競合の企業名を挙げて「CMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です」などと記した文章を掲載。在日コリアンに対する蔑称を用いた表現も含まれていた。16年2月にも在日コリアンを差別する内容の文章を掲載していたという。
内容に批判が高まり、DHCは21年5月末までに全ての文章を削除している。 日弁連は警告書で、一連の文章は人格権を保障した憲法13条や法の下の平等を定めた14条にも反すると指摘。「出自を理由に差別され社会から排除されることのない権利、平穏に生活する権利を侵害した」と非難した。
多民族共生人権教育センターはDHC側に在日コリアンへの謝罪や再発防止策の公表を求めているが、現時点で回答はない。大阪市内で記者会見したセンターの文公輝事務局長は「尊厳を傷つけられた多くの在日コリアンがいる」とし、取引先企業もDHCに謝罪を働きかけるよう求めた。
DHC広報部は「コメントは差し控える」と回答した。【古川幸奈】