観光庁は20日、旅行代金の一部を補助する「県民割」と「ブロック割」の期限を5月31日宿泊分まで延長し、4月29日~5月8日の大型連休期間中は除外すると発表した。政府は全国的に新型コロナウイルスの感染状況は小康状態にあるとみて、連休中も都道府県境を越える移動の自粛は求めないが、感染再拡大への警戒は続ける方針だ。
松野官房長官は20日の記者会見で、連休中の新型コロナ対策について「都道府県をまたぐ移動のような行動制限が必要とは考えていない」と述べた。その上で、「人々の行動の活発化が予想される」とし、3回目のワクチン接種や抗原定性検査キットによる積極的な検査を呼びかけた。
政府は昨年と一昨年の大型連休では、不要不急の帰省や旅行の自粛を国民に呼びかけており、自粛を求めない連休は3年ぶりとなる。旅行最大手のJTBによると、国内旅行者数は前年同期比68%増の1600万人に上る見通しだ。
「県民割」は、停止している政府の観光支援策「Go To トラベル」の代替策として、都道府県を通じて1人1泊につき最大7000円分を支給する事業。今月から、「関東」、「近畿」など地域ブロック内への旅行にも拡大。これまで、適用期間は4月28日宿泊分までとなっていた。
政府が大型連休を除外したのは、連休中は割引がなくても需要が十分にあるとの判断に加え、「一部の地方都市で急速に感染が拡大している」(観光庁の和田浩一長官)ことを考慮したためだ。これまでも、人の移動が増える連休後に感染者が増える傾向にあり、「連休明けに感染の『第7波』を招いてはならない」(首相周辺)との危機感がある。
特に気にかけるのは、人口10万人当たりの新規感染者数が全国最多となっている沖縄県だ。航空会社などと連携し、沖縄に向かう旅行者に渡航前の検査や3回目のワクチン接種を呼びかけている。24、25両日にはワクチン相を兼務する松野氏が沖縄を訪れ、全国最下位にとどまる同県のワクチン接種率向上を働きかける予定だ。