家庭や学校に居場所のない少年少女がたむろする東京都新宿区歌舞伎町の「トー横」をめぐり、区保健所は21日午前、未成年のたまり場になるなどしている周辺の宿泊施設に旅館業法に基づいた立ち入り調査に着手した。立ち入りには、防犯指導のため、警視庁の警察官も同行した。トー横問題での警視庁の宿泊施設への指導は初めてという。
捜査関係者によると、少年少女らは、1人分の料金のみを支払って、複数で不正に長期滞在を繰り返しているとされる。客室内が買春や援助交際といった犯罪の温床にもなっているとも指摘されており、保健所は状況把握のため、立ち入り調査に踏み切った。調査ではホテル側に宿泊者の年齢確認の実施を求めるなどするという。警視庁の警察官は宿泊施設側が同意した際に、防犯指導なども行うとしている。
トー横は、歌舞伎町にある新宿東宝ビル周辺の地域を指す言葉で、数年前から居場所のない少年少女らがたむろしている。会員制交流サイト(SNS)などを通じて昨年夏頃から知名度が上昇し、少年少女が巻き込まれる事件が多発している。
SNSで「宿泊者」募る…トー横の今は?
トー横をめぐっては、昨夏以降、少年少女らが巻き込まれる事件が多発したことから、警視庁は秋頃から私服警官を投入して補導活動を強化してきた。こうした補導の強化に冬場の気温低下も伴い、少年少女らは冬頃からは周辺ホテルに〝居場所〟を移していたとみられている。
《今日、ホテルに来る人いる?》
SNSで歌舞伎町周辺の具体的なホテル名を検索すると、こうした文言で集団宿泊を募集する少年少女らの投稿が散見される。
捜査関係者によると、少年少女らは、入り口に設置された専用の機械でチェックインが可能だったり、従業員がフロントに常時いなかったりする宿泊施設に目をつけ、集団宿泊を繰り返しているという。
警視庁は、こうした事情を把握し、ホテル周辺での補導をさらに強化。その結果、少年少女らの証言などから、客室内での飲酒や喫煙のほか、買春や援助交際などが行われている状況が浮かんできたという。
今年1月には、女子中学生とトー横周辺のホテル内でみだらな行為をしたとして、20代の男が都青少年健全育成条例違反で逮捕される事件も発生。警視庁は防犯指導のために、保健所の立ち入り調査に同行し、実態把握に乗り出したとみられる。
ホテル側へ宿泊者の年齢確認の徹底を求め、18歳未満の場合は警察に連絡するように依頼するという。捜査関係者は「人目につかない室内では、少年らが犯罪に巻き込まれやすくなる。ホテル側に協力してもらいながら、少年少女の健全育成のために力を尽くしていきたい」と話した。(根本和哉)