《堺市あおり運転致死》「きもいねん。80くらいで走るかどけよボケ」元雇い主が明かす川島陸被告が勤務中に見せた“異常な運転”と“執拗な性格”

「会社で働いている時にもアイツは車がやっと一台通れるぐらいの細い道を凄いスピードで飛ばしたり、相手が何も悪くないのにあおり始めたりすることが多々あったんです。注意してもその場では言うことを聞くんですが、すぐに元の木阿弥。いつかはこうした車絡みの事故を起こしてしまうのではないかと思っていました」
こう語るのは、今年3月28日に自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕されたのちに危険運転致死罪で起訴された川島陸被告(27)が以前働いていた、車関連会社を営むA氏だ。
川島被告は大阪府堺市南区の府道で車を運転中、北島明日翔さん(28・あすか)が運転するバイクに約3分間に亘り幅寄せやあおり運転を繰り返した上、自らが運転する車と追突させ北島さんを死亡させた。
執拗なあおり運転に「殺意」はあったのか
その後の大阪府警の捜査で「殺意があった」として殺人容疑で再逮捕されたが、今月19日、大阪地検堺支部は「殺意を認定するに足りる証拠が収集できなかった」として危険運転致死罪で起訴した。
「事故後、川島は証拠隠滅のためか車に搭載されていたドライブレコーダーのSDカードを道路に投げ捨てていましたが、それらの証拠からは明確な殺意があったと言える文言や画像が含まれていなかったために危険運転致死罪での起訴となったようです」(社会部記者)
逮捕後は、「自分としては、ぶつけられたという認識だ」などと供述していた川島だが、その後は黙秘に転じ、未だ被害者への謝罪の言葉は聞こえてこないという。そうした川島被告に、「会社を辞めさせてもなお迷惑をかけられ続けている」と憤るのが、冒頭のA氏だ。川島被告はA氏が経営する車関連会社で昨年秋ごろまで働いていた。
「今から約3年前、アイツは他のお客さんの紹介で客としてウチに来たんです。それでアイツの愛車であるスカイラインの通称『CKV36』をウチで修理をしてあげたんです。自分のFacebookにもその写真を上げていますよ。そのころのアイツは確かチェーンのラーメン屋で働いていました」(A氏)
別の知人によれば、「ラーメン屋で働く以前にはタウン情報誌の営業として働いていたこともある」が、「客の名前を勝手に使って営業し、トラブルになったこともあった」という。
A氏のショップに通いだしてしばらくして川島は勤めていたラーメン屋を辞め、昨年初頭には知人の大工の下で働いていたというが、昨年春ごろになって、こんな風にA氏に泣きついてきた。
「給料が2、3か月も未払いになっているんです……って。それで『ほな、ウチで働くか?』と雇てあげたんですが、何をさせても技術がない。何も考えないで失敗することが多く、仕方がなしに手伝いのような作業をさせていたのですが、僕が見ていないとすぐサボる。エライ奴を雇ってもうたな、って思いましたよ」(A氏)
「もっと安全運転しろ!」勤務中に見せた“異常な運転”
勤務時の態度は酷かったようだ。
「嘘はつくしすぐにサボるし。ある時、『子供に会いたいから』と会社を休んだことがあるんですね。でも後で聞いたら、アイツはすでに離婚していて子供には半年以上会っていなかったんです。そのほかにも従業員の風貌を執拗にからかい続けたりしていた。しつこい性格でしたね」(同前)
今回の事故を予見させるようなこともあった。
「僕が助手席に乗っている会社の車を運転していても、自分のペースで走れないとすぐに他の車をあおったりすることもありました。『もっと安全運転しろ!』と何度も怒ってます。対向車がやっと通れるような細い道でも飛ばすんで。車に乗ったらダメなやつなんです」(同前)
SNSでもその危険な片鱗を見せている。本人のTwitterにはこんな言葉が並んでいるのだ。
《60キロ道路60キロで走んなやきもいねん。80くらいで走るかどけよボケ》
《ド偏見 ドライブレコーダー後方録画中貼ってるやつまともな運転できない》
そしてA氏が「ほとほと扱いかねていた」時、解雇するきっかけとなった事件を川島被告が起こす。
A氏のショップで働きだしてから約半年後、川島は自身のFacebookに上げていた違法改造のスカイラインを「無車検で乗り回したとして逮捕された」(A氏)のだ。
「警察から『身元引受人になって下さい』と連絡がありました。それで、なにやってんねんと頭にきて警察に向かったんです。その場で貸していた会社の車のカギを取り上げて警察の前で『お前はもう解雇や!!』って言い渡しました。もちろん身元引受人にもなりませんでした」(同前)
それ以降、川島とはまったく付き合いのなかったA氏。だが、川島が今回の事件を起こしたために、辞めさせたいまもなお迷惑をかけられ続けていると嘆く。
「事件後、アイツの車友達が昨年の無車検運転のことを勘違いして『免許をもっていなかったんじゃないかな』などとSNSでつぶやいたことで、不特定多数が集まるネット掲示板でアイツの勤め先や車を改造したショップ探しがはじまったんです」(同前)
“特定”が始まった「真の犯行車両」とは…
なかでも人々の関心を集めたのは“犯行車両”についてだ。
「今回、アイツが事故を起こした車については、新聞やテレビで『紺のセダン』と報道されています。ただ、同時期に文春さんの記事(「週刊文春」2022年4月14日号)にアイツのスカイラインの写真が愛車として掲載されたことで、『改造スカイラインが犯行車両らしい』という勘違いが広まったんです。
でも今回の事故を起こしたのはアイツがTwitterに上げているBMWなんですよ。事故後に警察に捜査協力した際にもそのことは確認しました。それなのにウチでカスタムした車と混同され、SNSでは『あそこの会社は昔から評判が悪かった』などといわれなき誹謗中傷の書き込みが続いています」(同前)
A氏によれば、川島被告の車を修理したことはあるが、カスタムに関しては何度か依頼されるも「品のない車なので断っていた」(A氏)ため、川島被告は自分自身や知人に頼んでカスタムを行っていたという。
A氏の被害はそうしたSNSでの匿名の誹謗中傷に留まらず、「殺人者を雇っている会社ですか?」「殺人マシーンを作っているショップですか?」などの嫌がらせ電話を受ける事態に陥っているという。
「すでにアイツをクビにしているにも関わらず、そうした脅迫めいた電話が続いているんです。警察にももちろん相談しています。書き込みした人も特定しましたし、その人を告訴する段取り中です。本当に、今でもアイツを雇ったことを後悔していますよ。困った時に雇ってあげたにも関わらず、迷惑をかけられ続け、辞めた後もまだ迷惑をかけ続けるんか、って。
当初、警察の取り調べに対して、アイツは『ぶつけられた』などと話していたみたいですが大ウソでしょ? アイツの素行を知る元雇い主側から見れば『起こるべくして起きてしまった事故』です。せめてアイツには本当のことを話して、罪を償ってほしいです」(同前)
川島被告は今後の裁判で何を語るのだろうか。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))