知床事故、乗客家族支援など「最大限の取り組みを行う」…北海道知事

知床半島の沖合で26人が乗った観光船が消息を絶った事故を受け、北海道内の関係機関は24日、道庁で災害対策本部会議を開催し、事故に対応するため連携を深めていくことを確認した。ゴールデンウィーク(GW)の大型連休を間近に控え、事業者などに安全確保の徹底を図るようにする方針も示された。
会議には、道や道警、第1管区海上保安本部、自衛隊などが出席。各機関の乗員乗客の捜索態勢や現時点で把握している情報、今後の現場付近の天候の見通しなどについて説明された。
会議後、鈴木直道知事は報道陣に対し、「最大限の取り組みを行っていく。(関係機関の)皆さんと連携をして対応していく」と述べ、道内を訪れた乗客家族の支援に力を入れていくとした。斉藤国土交通相と電話で対応を協議し、原因究明の徹底を要請したことも明かした。
知床は、豊かな海や生態系が評価され、2005年に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に登録され、多くの観光客を集めている。過去2年は新型コロナウイルスの感染拡大に苦しめられているが、今年は規制が比較的緩い中でGWを迎える見通しになっている。
事故を受け、ほかの観光船の乗組員の男性は、「遊覧船は怖いという印象になってしまわないか。観光客がさらに落ち込まなければいいが」と危惧する。
GWの道内の観光客は昨年より増加することが予測されるため、会議では、観光船の事業者や交通事業者などに安全を再点検するように促し、安心して道内観光をできるようにすることも確認された。