広島市の市道で側溝の蓋に自転車の前輪が引っかかって転倒し、重傷を負ったとして、同市内の男性(74)が市を相手に約320万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、地裁であった。絹川泰毅裁判長は、側溝の蓋が、前輪が挟まりやすい裏返しの状態で設置されていたとして市の管理責任を認め、約215万円の賠償を命じた。
判決によると、男性は2019年1月、平和記念公園(中区)内の市道を自転車で走行中、通常は側溝の蓋の裏面にある隙間(幅2・8センチ)に前輪が挟まって転倒し、慢性硬膜下血腫と診断された。市は蓋が裏返しになっていることは気付かなかったという。
絹川裁判長は判決で、自転車が側溝の蓋の上を走ることは予見できたとした上で、「市の管理体制は不十分だった」と指摘した。
市は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」としている。